ひらログ

ひららかのブログ

書生志望

 学年末の課題にかこつけて目をつぶっていた就職活動に、ようやく手をつけました。 すると、私が研究に向かう情熱と才能を備えているか、あるいはとことん勉強がきらいであれば抱かずにすんだ迷いにも、ふたたび向きあう必要が生じました。進学はせず働くと決めた以上、たんなる感傷と呼ぶべきでしょうか。とにかくそいつを、つぶれるまで抱きしめてやらねばなりません。

 思い返せば、だれもがどうでもよろしいと思っていることにこだわっているのが常でしたから、自身が魅力を感じるものに周囲もひとしく価値を見出す文学部という場所のほうが特異であったようです。残された時間が半分の半分になってはじめて、そのかけがえのないことに気づきました。ことばひとつの前に立ち止まること、わかるまで考えこんで、わからないということがわかること、ひとりきりになること。よそから見れば浪費にすぎないであろうそれらを、私は愛していました。

 煩悩には対症療法にかぎります。フォンダンショコラをあたためてほおばって、すべてを投げ出して寝ました。目がさめて思い立ったのは、書くことでした。書くといういとなみ、またそれがどこへゆこうとできるということが、現在の私を強く励ましています。