ひらログ

ひららかのブログ

2021-01-01から1年間の記事一覧

ベースが弾きたい

ベースが弾きたい。でも、日商簿記検定試験を週末に控えているから弾かない。ひさしぶりの弦楽器をひっぱりだしたら、利き手にまめができちゃうもんね。 試験前の私をいらだたせるものは、いつだって試験勉強それ自体ではなく、したいこととしてはならないこ…

手取り16万日記

手取り16万円台・賞与なし・昇給の見込みなしのひとり暮らしをつづけた感想は「暮らしてゆくのに困ることはない。それ以上のなにものでもない。来週は心配ない。来月もなんとかなる。来年以降のことを考えると、不満と不安で胸がつぶれそうになる」ってとこ…

実家に帰らせていただきます

じゅうぶん人口に膾炙しやがて辞書に収録されるとしても、私自身がつかうことはないだろうと(現時点では)見ている表現がふたつある。「関係性」と「〜させていただく」だ。 「関係性」については、使用者のなかでは「関係」と明確に区別されており、意図を…

社内でいちばん歳は近いがいちばん社歴の長い先輩に、腹の内を五割強くらいぶちまけた。(弊社は「日本人の足を美しく見せる」靴をつくって売っている。) 自社ブランドの、私がやめるとしたら理由はこれってくらいきらいなところは、「日本人」を連呼するク…

友人としたいこと

王将に行く 地元の王将がいつのぞいても混雑しており、単独で乗り込むと肘がぶつかりそうなほど狭いカウンターに通されるリスクが高くて入れない(私は自分でもうんざりするくらいパーソナルスペースが広い)。ふたりがけのテーブルで顔を見ながらごはんが食…

痩身

十年以上ぶりに体重が五〇キログラムを下回って、一ヶ月くらい経つ。痩身の同級生や妹に強烈な劣等感を抱えていた高校生の私が、どれほど望んでも得られなかったからだつきを、二五歳にして実現した。そして、そのわりには、なんの感慨もない。 ひとり暮らし…

私の尻は私が叩く

好きで好きで大学に通っていたものの、経済的な事情や進路に対する不安やみずからの能力の限界を悟ったことなどにより、学部卒業後ただちにまったく適性のない集団生活に身を投げた私のごとき会社員の大半は、折にふれ「大学時代のほうが意欲を燃やして生き…

生活に飽きたら

生活に飽きた。はじめてのことだ。特定の趣味や仕事にではなく、なにか、うすぼんやりと、生活全般に飽きた。 適応障害の再来ではないだろう。ただちに取り除くべき、耐えがたい苦痛を味わっているわけではない。かつて陥った「なにもしたくない」も、食欲不…

絶対音感の功罪

私は絶対音感をもっており、ときにそのことで不便を強いられており、また絶対音感が過剰に称賛される風潮をつねづね疑問視している。という話をします。 ちょちょいと調べたところ、絶対音感というのは〈ある音を聞いたとき、その高さを、他の音との比較によ…

誕生日おめでとう

五月七日。二六回目の誕生日を迎え、二五歳になった。きのう「一日早いけれど」と職場の人がくれた焼き菓子や、日付が変わってすぐに届いた友人からのメッセージが、私にそのことを知らせる。周囲から教えてもらうまですっかり忘れているものだから、二六回…

遠距離恋愛

最愛の宇宙人が県外に引っ越した。大学院を卒業したてのほやほやで、入社式を間近に控えている。私のほうは今週末に実家を出る。早くみずからの稼ぎで食べてゆきたくて──世帯主の扶養を脱したくて──学部卒業後の進路を就職としたはずなのに、ひとり暮らしを…

光の糸

会わない人のことは忘れるいっぽうだ。高校以前の友人は、数えるほどしかない。打算的に選別を試みているとか、過去を清算しようとつとめているとかいうわけではなくて、たんに記憶領域が貧しいのである。顔と名がおぼろげになるのと、声やしぐさが輪郭を失…

映画館にはひとりで

今月は自室で映画を四本観た。『お嬢さん』、『コンテイジョン』、『パラサイト 半地下の家族』、『ゆれる人魚』。『お嬢さん』以外は、最愛の宇宙人が「おもしろかったよ」と言っていたのを思い出して探してきた。 おもしろかったよ。でも、おもしろいだけ…

猫を迎えた日

一.一月二三日 ロレーンもデルフィーヌも、こんなところで自分の話をされているとは知らずにすやすや寝ている。三毛のロレーンはキャットタワーのてっぺんで、キジトラのデルフィーヌは膝の上で。私の右腕はデルフィーヌの枕になっているから、片手でキーボ…