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ひららかのブログ

ピアスをおくった日

 高校時代からつきあいのつづいている友人と、きのうは半年以上ぶりに会った。彼女のほうから新年のあいさつをくれたのがきっかけだ。それまで、彼女は私の体調を慮り、また私のほうでは彼女が慣れない仕事のために多忙をきわめていると思い、連絡を控えていた。そして互いに、その必要はなかったのだと胸を撫で下ろしている。インスタントメッセージが届いた瞬間、感謝の念があたたかく胸を満たした。一五歳から数えて、何度目のことだろう。意志の軌跡としてふたりの関係がある。誕生日にイヤリングをくれたので、私からはピアスをおくった。三ヶ月遅れのプレゼントだ。彼女は顔いっぱいに喜びを浮かべ、その場で身につけてみせた。とても似合っていた。私たちはふたりそろってセンスがよい。

 適応障害に苦しんだ初夏をも含め、私はいつだって彼女に会えたなら嬉しがったはずだが、私の文章にあらわれる暗澹たる態度はしかし、思慮深い彼女を遠ざけたらしい。無理もない。健康なときさえ、「会ってみると、書くものから予想していたより、ずっとやわらかくて話しやすい」とは言われ慣れている。私にかぎらず、だれもが「ほんの一面」の集積だ。それにしても恋人は、私を隣に置いて、よくめまいを起こさないものだ。一日のうちに、軽口を叩き、疑似科学の喧伝に憤り、戦争におびえ、空気を含んだ羽が生えたみたいに小躍りする。